最近読んだ本

一冊目はリリさんに勧められて読んだ本、デールカーネギー著の『人を動かす』
これは所謂人とのコミュニケーションを潤滑にする為に心得を書いてある本だ。
なかなかいい本だった。なんでも実際例が出されてどうすべきかわかりやすく教えてくれる。
ただこの実用例が多すぎて、しかも以前でてきた項とどうしても重複してしまう事も多く、途中で少し飽きてきてしまった。しかし、これは人の生活の中での考え方、態度の基本姿勢を直していこうというものなので、何度も反復していい聞かせられる事は効果的だとは思った。
特に前半の部分は自分では今までも実践していた事なのだが、後半の人を説得する、自分をアピールするという部分が弱いというか、今までは無かった気がする。
職業芸術家という事は個人企業を起こすという事で、いろいろなビジネススキルも必要となってくる。普段リリさんや他の友人をみていて思うのだが、僕はとても雇われ側の人間だ。これは思考構造がそうなっているようだ。どうも実家がサラリーマン家庭だし、両親からも代々家の家系は商売はうまくないからといわれ続けていた事もあると思う。
これはこれから意識して変えていかなくてはならない事だと思う。
自分でアイディアを出し、それを自分で組んだ計画にそって、自分で実行していかなくてはならない。自分に甘えてだらだらとする訳にはいかないということを改めて実感した。

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版



二冊目は友人のユキコに借りた浅田次郎著の小説『天国までの百マイル
浅田次郎氏の本を読んだのは記憶には無いのできっと初めてだと思う。
すっと読み進めれて何時間かで読んでしまった。
家族や男女の愛情をテーマにしているが、年老いて弱った母に冷たい主人公の兄弟達の対応が悲しい。今自分はアメリカにいて、これからもアメリカに限らず海外で活動したいと思っているが、親が年老いた時にはどうしたらいいのだろう?妹は今は実家住まいだけれど、いつかは出ていってしまうだろうし。今は自分の事で精一杯でどうにもならないが、早く自由に動き回れる様になりたい。自由にできる金を稼げばきっとたくさんの時間も買えるし、早く成功したい。



三冊目は恩田陸著の『Q&A』
これは以前友人のシホちゃんに勧められて借りていたんだけれど、その時はミステリーな気分ではなく読まなかったんだけど、とっても面白いって勧めてくれていたので改めてブックオフで自分で買って読んでみた。
確かにとってもおもしろい、全編事件に直接的間接的に関わる人々のインタビュー形式で書かれていて、謎だらけ。簡潔にストーリーに触れると、首都圏郊外にある大型ショッピングセンターである事件が発生する。大勢の死人、けが人を出すも事件の直接の原因は不明。ある目撃書は火災だと言い、あるものは不審者が毒ガスを撒いたという。謎だらけだけれどもとてもリアルに感じた。
人の心理や現代社会の描写がとても上手だと思った。
エンターテイメントとしてここまで熱中させられるものは久々だった。
一晩で一気に読んでしまった。勧めてくれたシホちゃんありがとう。




四冊目は中島らも著の『今夜、すべてのバーで』
これは中島氏の実体験だと思うのだけれど、主人公がアル中になって40日間の入院生活を過ごす間の話。彼は自傷的なアルコール漬けの生活の中でも自分の事を他人の様に客観的にみて苦笑いを繰り返す。アル中についての医学書を肴に昼間から酒に浸る。この外から自分を見る目は僕にはとても共感できる。自分を特別だと思う一方、大勢のなかのつまらない一人と感じる。自分を他人の様に見てしまう。自分の意志に責任を持ちかねる。特にアルコールのみに留まらない人間の依存性の考察はとても良かった。
物語の最後はカッコ良く締めていてちょっとがっかりしてしまったけれど、なかなか面白い一冊だった。